REAL TIME / MAARTEN BAAS
2009年4月22日〜27日までイタリアにて、世界最大級の家具見本市“ミラノ・サローネ”が行われました。ゼロファーストデザインでは、毎年発行している雑誌「Interior Trend Vision」の取材のために、現地に出張に行っていました。
フィエラと呼ばれる見本市本会場を始め、会期中はミラノ市内各所にて大小様々な展示イベントが行われました。世界的な家具メーカーが展示を行うフィエラとは対照的に、ミラノ市内のギャラリーやイベントスペースではデザイナーを目指す学生や若手デザイナー、またはメーカーの枠に捕われないデザイナー個人での作品展など、より自由でユニークなプレゼンテーションが多いのが特徴です。
今回ご紹介するのは、歴史的な名作家具を燃やしたコレクション“スモーク”や、インダストリアル・クレイをぬり重ねて、まるで彫刻作品のような過程で製作した“クレイ・ファニチャー”で知られる、“マーティン・バース / MAARTEN BAAS”の ミラノサローネで発表された新作です。
今回のイベントのタイトルは“REAL TIME”と名付けられた、時間をテーマにした展示です。
会場の中は薄暗く、中に入ると時計らしき映像がぼんやりと浮かび上がって映し出されています。
近づいてみて見ると、そこに映し出されていた映像は時計の針に見立てたゴミの山をモップで動かす人の姿が。そうです、一分ごとに少しづつゴミを動かして、時計に見せている映像なのです。
もっと寄って見ると、こんな感じです。しばらくの間、映像に見入っていたのですが、地道に時計の針が動いていました。さすがに1時間も2時間も見ている訳にはいかなかったのですが、おそらくちゃんと時計の針が一周する12時間分の映像を撮ったのではないかと思われます。
続いての作品はこちらです。人の背丈ほどある大きな置き時計ですが、こちらも何やら仕掛けがありそうです。文字盤には人の顔らしきシュルエットが見受けられます。
時計の文字盤に近寄ってみると、まるで時計の中に人が入っているかのような等身大の映像で、中で時計の針を書いては一分ごとに消し、また書き直すという作業が行われています。こちらもしばらく見ていましたが、先ほどのものと同様、ひたすらこの作業を繰り返した映像かと思われます。
ふたつの作品ともに、まさに“REAL TIME”と名付けられたテーマにぴったりなデザインとなっています。どんな人にも平等に与えられた“時間”という概念を、時計という身近なアイテムに落し込み、そこにMAARTEN BAASらしい自由な発想から生まれたデザインが加えられた作品でした。
出来上がった作品は実にシンプルな考えに基づいたものですが、そのちょっとしたアイデアを具現化するプロセスが非常に興味深いプレゼンテーションでした。
(Ken Nozawa)
☆ゼロファーストデザイン・スタッフブログ
☆ゼロファーストデザイン・オンラインショップ
☆ゼロファーストデザイン・代官山
☆ゼロファーストデザイン・オフィス

