Feature Story
クリエイターたちが気になる人やコトをテーマに、インタビューやタイムリーな記事を写真とともに特集します。

2008年10月31日

秋のデザインイベント特集 10/31

昨日のオープニングパーティに引き続き、今日も東京ミッドタウンで行われている“DESIGNTIDE TOKYO 2008”の会場へ。


まず会場に入ると目にするのが、不織布で囲われたブースの構成です。この会場の設計を担当したのは、広島を拠点に活動する、建築家の谷尻誠氏(Suppose design office)。

柱や梁が一切ないこのブースは、風船の浮力のみで不織布を吊り下げているという、非常にユニークな構造となっています。浮き上がらないように下に重りを入れてあり、風船の浮力とその重りが絶妙のバランスによって成り立っています。


こちらのベンチは“Raw-Edges Design Studio”のYael Mer とShay Alkalayの2人の作品です。非常に特徴のある製作方法の作品で、一般的には型を使って製作される従来の方法とは異なり、部材の間にポリウレタンフォームを流し込み、それを発砲させて成型されています。その工程は、衣類の工場で使われる技術に似たものとなっています。

女性デザイナー5人によるプロジェクト“On Ground”は、「自分の中にある欲求を正直にカタチにする」をテーマにしたシェルターを提案。慌ただしい日々の生活の中で、ちょっと立ち止まって自分に問いかける。そんな時間をいつでも持つための小さな空間です。

ちなみに、この写真で横たわっているのは、安積朋子さんです。デザイナー自らモデルになって頂きありがとうございました!

藤田元明と松田卓也によるユニット“Pompelmo”の作品は、「斧」をモチーフにした作品。特定の目的だけのために創り出されたプリミティブな道具や器具の持つ純粋さや美しさを見つめ直し、そこから導き出した新たなエスタティックを日常の生活に調和されることを提案しています。

モノの機能や行為の輪郭への興味から生まれ、「blur collection:曖昧な輪郭」と名付けられた倉本仁氏の作品。

こちらの作品は、花器と水差しの境界がぼやけたもの。花を生ける事と水を差す事、それぞれ異なる行動ながらも、どこか隣り合わせに繋がっているような印象を受けます。

こちらは、まな板と皿の境界がぼやけたもの。パンを切る行為とそれを盛りつける行為。2つの行為は、どちらも生活に馴染んだ事ですが、輪郭部分を曖昧にすることで、また新たなデザインとして表現しています。



DESIGNTIDE TOKYOでは、“TIDE Market”と題した商品販売ブースもあります。ここではデザイナー本人から購入する事が可能で、デザイナーは逆にマーケットリサーチをする事が可能な、出会いの場として機能しています。

TIDE Marketの中で気になった商品をいくつかご紹介します。

一見すると普通のスプーンのようにも見えますこちらは、“501DESIGNSTUDIO”の商品です。二つ並べられたスプーンの左側が元の状態。それをカナヅチで叩く事により、左側の状態に仕上げて行きます。叩く事で打ち跡が出来て、さらに独特の光沢感が出てきます。また、触った時の手触りが滑らかになり、口に入れた時の触感も柔らかくなるそうです。

こういった金属をカナヅチで叩きながら成型する手法を「鍛金」と呼びます。用途を失ったものたちを直接的な手法を用いて、新たな道具やオブジェとしての命を吹き込む。ものが簡単に生産され、そして破棄される時代にヒトの手によるものづくりの提案を行っています。

こちらは、鍵を同様に鍛金して蘇らせた商品。実際に鍵としては使うことは出来ませんが、アクセサリーやキーホルダーとして、また新たな命を宿しています。

こちらは“amabro”の商品。アートを日々の生活の中に取り入れられるようなプロダクトがテーマのトロフィです。様々な動物がモチーフにちりばめられ、真っ白にペイントされています。大切な誰かの為に、日頃の感謝の意味を込めて贈ってはいかがでしょうか?

グラフィカルな柄がプリントされた、赤ちゃん用のエプロン。生まれてきた赤ちゃんの一番最初のおしゃれアイテムにぴったりです。ちなみに最近、友人に子どもが生まれたのでプレゼント用に購入させて頂きました。



DESIGNTIDE TOKYOは昨日の100%designに比べて、メイン会場の大きさは小さいですが、その分厳選されたアイテムが並び、非常に質の高いイベントとなっていました。

これでデザインイベントの中心的な2つの会場は見ましたので、明日からは会場外のアウトサイトイベントを中心に見ようと思います。

(Ken Nozawa)

ゼロファーストデザイン・オンラインショップ
ゼロファーストデザイン・代官山
ゼロファーストデザイン・オフィス
ゼロファーストデザイン・スタッフブログ

2008年10月30日

秋のデザインイベント特集 10/30

東京では毎年この時期は、インテリアやプロダクトデザインに関するイベント・展示会が数多く行われます。
今年も大小さまざまなイベントが都内各所で開催されています。

まず向かったのは、神宮外苑で行われている“100% design Tokyo”。
“100% design Tokyo”は今年で4回目を迎える、コンテンポラリー・インテリアデザインの見本市で、元々は1995年にロンドンの小さなテント会場でスタートしました。今では、世界でもっとも影響力のあるトレードショーのひとつに成長し、日本でもその地位を確立しました。

昨年に続き、今年もデザイナーのマイケル・ヤングがクリエイティブディレクターを務め、「LOVE」をテーマに開催されました。会場には“LOVE ボタン”と名付けられたゴールドのボタンをアイコンとしたサインが掲げられ、イベント全体の一体感が図られています。

今日は、開場から夕方まではビジネスタイムで、一般の来場者の入場が制限されていたこともあり、業界関係の方が多く見られました。

こちらは、会場内でも一際大きなスペースを占めていた“REGZA BAR”。東芝の液晶テレビ“REGZA”の協賛ブースで、グラフィックデザインはアイスランドのアーティスト、カトリン・オリーナが担当しています。彼女の作品は、ファンタジーの世界をアイスランドの伝統やCGとコラボレートさせた個性溢れるモチーフです。

もう一つ注目すべきは、REGZAの壁立てかけタイプのモデル。まだ販売はされていない商品だそうですが、斬新な発想に来場者の注目を浴びていました。テレビの薄型化が進む、昨今。取り付けが必要となる壁掛けタイプよりも、手軽に設置できる大きなメリットがあります。担当者の方曰く、テレビを消した状態の時に、ミラーになるなど、今後も可能性を探って行きたいとの事です。

こちらは、“HOYA CRYSTAL”のブース。『秘密の花園』をテーマにした今回のブースは、クライン・ダイサム・アークテクツのデザイン。スペースを囲む黒い柵はHOYA CRYSTALの商品(シャンパングラスやキノコ)のフォルムをかたどったデザインになっています。

柵の間から覗き込み、植物の中に視線を向けると、そこには光り輝くクリスタルの商品がディスプレイされています。自然の中に忍ばせた宝物を探し当てるかのような感覚は、まさに『秘密の花園』のテーマにぴったりです。

こちらは、日本人3人によるデザインユニット“beatnik”のブース。和アンティークの家具の一部に有機的な要素を加える事で、新たな可能性を見いだす「beatific」なプロダクト。

真っ白なペイントが施された家具とメタリックな一輪挿し。その境界線は、あくまで有機的に処理されていて、柔らかな表情を浮かべます。

仙台を拠点に、インテリア・空間・家具デザインなど幅広い活動を行う、“OGATA”の尾形 欣一氏の新作スツール。段ボールをレザーで表現した、アーティスティックな仕上がりとなっています。
(※こちらの商品は、ゼロファーストデザイン代官山ショップにて取り扱いを予定しています。そちらの詳細については、また後日詳しくお伝えします。)

何とも愛らしいフォルムの椅子は、山本達雄と橋本潤によるデザイン・プラットフォーム“books”の作品。その姿の通り、“バンビ チェアズ”と名付けられた椅子です。座面の柄も然ることながら、細い脚の造形が非常に特徴を表しています。

写真ではなかなか伝わりづらいにですが、表面に起毛加工が施されていて、触るとうっすらと毛羽立った感触が伝わります。

会場内では、デザイナー本人がプレゼンテーションしている場面を見ますが、UK出身のマックス・ラムは、実際にその場で椅子を製作するプレゼンテーションを行っていました。“DIYチェア”と名付けられた椅子は、初心者でも簡単に椅子を作ることができる仕組みがデザインされています。また、今回の会場で製作された椅子には、日本で採れる木材を使用しているそうです。やはり、目の前で作るというインパクトは大きく、大きな注目を浴びていました。

100% designが行われたテントの外では、Designers Week 2008 “CONTAINER GROUND”が行われています。このイベントは、貨物用コンテナを用いた空間デザインのプレゼンテーションです。

数あるコンテナの中で一番気になったのが、この日蓮宗のコンテナです。“デザイン”という言葉のイメージから一番対極にありそうな伝統仏教。そこに現代のクリエーターがデザインのエッセンスを取り入れたかたちとなっています。幻想的な光りがこぼれる空間は、日蓮の「日」を表現しているそうです。

壁にはお経が一面に貼られていて、歴史の持つ洗練された様式美が感じられました。

残念ながら写真はないのですが、コンテナの外では、袈裟を来た僧侶がDMを配っているという、不思議な光景が繰り広げていました。

100%デザインを一通り見終わると、時間は夕方から夜へと移り変わる頃。イベント期間中の夜といえば、各会場ごとに行われるレセプションパーティ。

神宮外苑から場所を東京ミッドタウンへ移し、“DESIGNTIDE TOKYO 2008”のオープニングパーティへ。

今年で4回目を迎えるDESIGNTIDE TOKYOは、インテリア、プロダクト、建築、グラフィック、テキスタイル、ファッション、アートなど様々なジャンルから集まった作家たちの真摯なデザイン活動の発表の場として定着しています。

今回のメイン会場は、東京ミッドタウン・ホール。オープニングパーティにはたくさんの業界関係者が詰めかけ、会場は大盛況での初日となっていました。

パーティに行く目的は、人に会う為と華やかな雰囲気を味わう為がほとんどです。イベントをゆっくり見るのは、また明日にします。

(Ken Nozawa)

ゼロファーストデザイン・オンラインショップ
ゼロファーストデザイン・代官山
ゼロファーストデザイン・オフィス
ゼロファーストデザイン・スタッフブログ